2月7日

2001-02-07 mercredi

早朝(といっても午前8時半、私にとっては早朝)ベルギーのK井さんから電話がかかってくる。
いつもの調子で「あーら、先生、起こしちゃいました。ふふふ」
まさか国際電話で世間話でもあるまいと思ったが、ついつられてだらだらとよしなしごとを話してしまう。
K井さんはなんと離婚しちゃっていたのである。

「あら、先生ご存じなかったんですか?」

ご存じなかったよ。
これで私が結婚式でスピーチをしたもとゼミ生たちは三組中二組が離婚したことになる。離婚率67%。(伊藤君、だいじょうぶか、きみんとこは)
あまり「ゲン」がよくないから、私を結婚式に呼ぶのはよいが、スピーチはさせないほうがいいぞ、ゼミ生諸君。
やはり奔放な女王様ピアニストに世間並みの幸福は似つかわしくないということであろうか。ともかくベルギーでピアノ三昧でほんとうにハッピーだそうである。よかったね。

そのK井さんからの用件は、こんどベルギー政府給費留学生にアプライするのであるが、その提出書類に「卒論のレジュメ(日本語およびフランス語)」というのがあり、もちろん卒論なんかベルギーなるK井姫の手元にあるはずもなく、必然的に、私が

(1)大学の倉庫に行って、95年度卒業生の卒論のなかからK井さんのを探し出す。
(2)それを読む。
(3)その要約を日本語、およびフランス語に訳したものをただちにK井家に送付する。

ということのようである。

「せんせー、恩にきます。ふふふ」

へいへい。万事お任せ下さい。
どうも姫を相手にしていると、いつのまにかこちらが三太夫になってしまう。
こういうのを人徳というのであろうか。