11月29日

2000-11-29 mercredi

感染したままでまだワクチンが届いていない人がいるようである。ワクチンバンクのURLをお教えしますので、そこにアクセスしてワクチンをもらって下さい。
http://www.vaccinebank.or.jp/mtx/tool.htm

昨晩は「チーム変わりもん」とグループ「岡田山の良心」と「極楽スキーの会」と「ジェンダー研究会」の共催による「マルコポーロのソムリエールのO子さんを送る会」というものがあった。この四つのグループのそれぞれの会員数は十名余におよぶので、共催となるとざっと50人がとこ結集するはずであったが、実際に集まったのはわずか7名。
よく考えれば、それも当然で、「同じメンツ」がこの四団体に同時加盟している事実が昨日発覚したのであった。
昨日の七人のうち、極楽スキーの会に参加していないのはN先生おひとり。ジェンダー研究会にいまのところ参加していないのは、私ひとりである。
あとの諸兄諸姉は四団体の創設者や主軸メンバーである。
なお、おどろくべきことに、7人のうち6人が「バツイチ・シングル」であるという事実も一部歴史学者の綿密な資料渉猟の結果判明した。
どうやら「バツイチ・シングル」で、「変わりもん」でありながらも「良心」のカケラを宿し、「スキー」をこよなく愛しつつ、「ジェンダー問題」に深い関心を寄せ、かつワインをがんがん行く人たちというのが、今後の岡田山戦線における突出したケルンを構築してゆくことになるようである。

「ノイズ」を見る。
原題は「宇宙飛行士の妻」(The Astronau's wife)
『エイリアン』と『ローズマリーの赤ちゃん』をまるっとパクったアイディア自体は悪くない。
しかし、ぜんぜんサスペンスのエッジがきかない。
けっこう怖い話なのに、なぜサスペンスが効果的でないのか、考えてみたら、主人公の「宇宙人の妻」がぜんぜん「ああ、このままではたいへんなことになる。なんとかこのひとの危機を救ってあげたいものだ」的な感情移入ができないタイプの女優さん (Charlize Theron) なのである。
『ローズマリー』のミア・ファーローはじつにはたがどきどきするほどに足下のおぼつかない若妻であった。
『暗くなるまで待って』のオードリー・ヘプバーンのピンチに観客は恐慌をきたした。
いま、「あまりに頼りなげなので、ついその身を案じてしまう」ようなタイプの女優はハリウッドにはクリスチーナ・リッチくらいしかいない。(だから売れてるのかもしれない)
まあ、これだけタフで、自立してて、堂々としているんだから、エイリアンも一人でがんばって退治してね、というふうに私はしらっと身を引いてしまっていて、ぜんぜん同情的になれないので、どれほど主人公が困惑してても、私自身は少しも不安にならないのである。
最後にエイリアンを殺して、自分も食べられてしまっても、「あ、そう。ま、そうだわな」というような感想しか私には湧かなかった。
これではサスペンスにならんぞ。
NASAの職員でジョニー・デップをエイリアンではないかと疑い、罷免されて、殺されてしまうリース君の運命のほうがずっと私の心を痛めた。
そうだ、彼を主人公にすればよかったんだ。
ハリウッドはいま「デミ・ムーア/シャロン・ストーン」型の定型的なキャラクターの女優たちを大量生産大量供給して、彼女たちが誰にもたよらず苦境を脱するという「フェミニズム賛歌」映画をとり続けているけれど、この路線は遠からず破綻すると私は思う。
少なくとも私はもうほとほと飽きた。
見ただけで胸がきゅんとなって、その人が危機におちいったら、足下が崩れるような不安を与えてくれるような「壊れもの」系の女優が必ずや次代のスターとして渇望されるようになるであろう。私はそう予言する。

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