昨日は私の生誕50周年記念祝賀パーティがあった。
かわいい合気道会の諸君が手作りパーティをしてくれた。
午前中に稽古をしたあと、一次会は大学の同窓会館で「大演芸大会」、二次会はイタリアン・レストランでご会食、三次会はわが家で歴代主将による「回顧・合気道部のこの10年」座談会、四次会はその流れでどどどの宴会。ぜんぶ終わったときは次の日になっていた。
最初の「大演芸大会」というのがそもそも私には不可解であった。予定では1時から4時まで3時間もとってある。いったい、合気道部の諸君は3時間も何をするのであろうか、凍り付くような漫才とか、麦チョコ投げとかで3時間も間が持つのだろうかと怪しんでいたのである。
これが見てびっくり。まったく大した才人たちである。
最初が一回生たちによるパフォーマンス。(いかなる必然性があるのか分からないが)バニーガールとかチャイナ・ドレスとか茶摘み女の扮装の諸君が美しい歌声でハーモニーを聞かせてくれた。
次いで瀧さんが演出指導の「麦チョコ合気道」(「麦チョコ」芸が出るのでは、という私の予感は的中)。
知らない人のために解説しておきますが、本学合気道部には「麦チョコ空中捕食」という伝統芸がある。これは神原麻理さんを開祖とする珍芸で、合宿の夜には学生たちが大口を開けて飛び交う麦チョコを「かぽ」と食べる姿が必ず見られる。
六代目主将の小浜ちゃんが鬼木先生宅でこれを披露したことをきっかけに「主将芸」に認定され、以後、歴代主将は「麦チョコ空中捕食」を主将指名とともに相伝することになったのである。
その麦チョコを「道」にまで高めよう、というのが「麦チョコ合気道」の趣旨であるらしい。
「マドロス姿」の私のポートレートを上座に掲げて、部員諸君が「麦チョコ・天の鳥船」、「麦チョコ・雄叫び」
「麦チョコ・体捌き」「麦チョコ・一教」「麦チョコ・入身投げ」などの芸を見せてくれた。
「天の鳥船」では「われは麦チョコと一体なり」と念じて瞑想するなど、多田塾関係者にしかわからないエッジのきいたギャグが満載。私は笑いすぎて椅子から落ちそうであった。
しかし、これはほんの序の口。次の4回生の「劇・ウンパンマン」には文字通り抱腹絶倒。
矢部君が私の「形態模写」を得意とするところは部内ではつとに知られたことであるが、彼女がこれほど私の特徴を捉え得ているとは思わなかった。
野球帽を前後ろ逆にかぶり、TシャツGパンに黒いソムリエ・エプロン、レイバンのサングラスをかけた矢部君扮する「ウンパンマン」が、パジャマ姿にうさぎの帽子をかぶった北川さん(渾身の熱演!)演じる「バイキンマン」を合気道技で退治して、良民のみなさんに感謝される、という話なのであるが、全編に仕掛けられた「内輪ギャグ」が大受け。
笑い死にしかけていたら、次は一転して、江口主将脚本、高洲さん・ゴンちゃんの「演劇部」コンビの熱演による本格大シリアス近未来SF大作「ジェーン・リッチ」(なんと上演時間45分)
つかみの「江口ダジャレ」で始まったので、「お、ギャグものか」と思わせておいて、実は遺伝子操作を扱った重いテーマのシリアス・ドラマであった。さすが理科系。
異彩を放っていたのは、達者な演劇陣にまじって一人だけ「宝塚」をやっていた瀬戸っちと、会場から「かわいいー」というため息がもれた澤さんの子役。
部員諸君はこの芝居のために何ヶ月も前からシナリオを書いて準備していたそうである。まったく揃いも揃ってお祭り好きな人々である。
最後に部員やOG諸君からのお祝いの歌を送られて、内田もこみ上げる感動を禁じえませんでした。こんなふうに50歳を祝って頂き、内田はしあわせものです。しくしく。
二次会はゲスト鬼木正道先生の感動的なスピーチから始まる。私と鬼木先生の不思議な「ご縁」についてお話ししてくれた。6年前の鬼木先生との出会いは私にとっては忘れることのできないものであったが、それは鬼木先生にとっても思い出深いものであったということを教えて頂いた。こうしたご縁がひとつひとつ織り合わさって、いまの合気道部や杖道会の活動があるのである。
二次会からあとは合気道部創部以来の珍しい顔がたくさん集まった。
歴代主将は(富山に引っ越して出産を控えている七代主将小国さん以外)九人全員が顔を揃えた。初代田口亮子さんは北海道から、二代嵐裕美子さんは名古屋西枇杷島町から、三代海老澤邦子さんは浜松から、四代浦西真規子さんは奈良から、五代鎌田ゆかりさんは加古川から、六代宇野聖子さんは岸和田から、八代小浜弥生さんは塚口から、九代林佳奈さんは芦屋から、十代江口さやかさんは池田から遠路はるばる(でないひともいるが)お越し頂いた。太田晴子さん、田村京子さん、田口佳代さんら懐かしい顔のOGも来てくれた。
みんなの懐かしい顔を見て、わいわいおしゃべりしているうちに二次会も三次会もあっというまに終わってしまった。歴代主将による座談会は瀧さんがテープ起こしをして、いずれホームページで公開致します。お楽しみに。
ほんとうに楽しい一日でありました。企画をしてくれて、これだけ立派なパーティを開催してくれた主催者の田口亮子さん、江口さやかさんはじめ合気道部のすべてのみなさん、最初から最後までお付き合い下さった鬼木先生、一次会と三次会のための「炊き出し」をいつものように担当してくれた割烹「小川」ご主人に心からお礼申し上げます。それから山のようなプレゼントをみなさんどうもありがとうございます。
内田はほんとうに果報者です。わーん。(号泣)
(2000-10-01 00:00)