下川正謡会の歌仙会が無事終了。
忙しい一日であった。素謡『草子洗小町』の「立衆」から始まって、素謡『殺生石』の地謡、『猩々』のお仕舞。素謡『盛久』の地謡、素謡『富士太鼓』のワキ、仕舞『熊野』、『花筺』、『菊慈童』の地謡、素謡『正尊』の地謡、自分の舞囃子。仕舞『野守』、『砧』、『山姥』の地謡、素謡『鞍馬天狗』の地謡・・・と私が舞台に出なかったのは素謡『藤戸』と『鉄輪』だけ。
下川先生は「歌仙会は修業の場です」とおっしゃっていた。たしかに一週間分くらいのお稽古をまとめてやった感じである。
その前日、先生には家の近くの焼肉屋で上ロースと生ビールをしこたまごちそうになった。これが翌日のスタミナ源をあらかじめ補給して下さったのだ、という師の深慮遠謀に気がついたのは会が終わったあと。
しかし、とにかく一日謡ってヴァイブレーションが全身に行き渡っているので、体調がたいへんによろしい。
舞囃子『猩々』の本番は来年の6月である。あと10ヶ月間、ひとつの舞囃子だけを稽古するのである。舞は奥が深い。
(2000-08-07 00:00)