あと一日で「私の夏休み」が始まる。
娘の夏休みは金曜日から始まっている。
朝日新聞のいしいひさいちの漫画が正しく指摘しているように、子どもの夏休みというのは同居の大人にとって「拷問」以外のなにものでもない。
朝ごはんを作るために起きなくていいのはありがたいが、ふだんは起こさないと起きない(起こしても起きない)娘が、なぜか夏休みになると早朝から目覚まし時計のけたたましい音とともに起き出して、MTVをばりばりかけて、FM放送を聞きながら、インターネットのBBSを読みながら大笑いしている。
かんべんしてほしい。
しかし、この苦しみも今日一日のことである。あと半年のことである。耐えよう。カウントダウンできる苦痛になら人間は耐えられる。
明日から私は「別人」となる。
まず家を徹底的に掃除する。(ふだんは掃除してでかけても、家に帰ってくるともうアナーキーな状態になっているので、掃除意欲がはなはだ減退するのである。)
観葉植物を買ってきて、ハイテックな空間を造型し、ゆっくりとコーヒーをのみつつ、朝から60年代ポップスとモーツアルトを聴く。(ふだんはあたまがくらくらしそうなテクノばかり聴かされているのだ)
机にむかって日が傾くまで「マシン」となって原稿製造にはげむ。(この夏に書き下ろしレヴィナス論を一気に書き上げることを決意。)
日が傾いたら、お稽古に行ってばりばり身体を動かす。
帰ってからビールをくいくい呑んで、バカ映画を見る。
本を読みつつ寝る。(後半部分はあまり「別人」になってないけど)
というところまで書いたら、後ろから娘が忍び寄ってきて内容を読まれてしまった。
(こういうところも夏休みの困ったところである。)
いま首を絞められつつキーボードだけを打ち続けている・・・・
(2000-07-23 00:00)