5月1日

2000-05-01 lundi

土曜日は合気道、杖道を5時間稽古したあと、鬼木先生宅で神道夢想流杖道正道会発足記念大祝賀会。女学院関係の宴会としては珍しく男性参加者が多い。(六人もいた。東大気錬会OBの高雄君、やはり合気道出身で京大院生の小菅君、この春から大阪の高校教師となった早稲田大学合気道会OBの武藤君も稽古に顔を出してくれたのでそのまま宴会に拉致。)
いつもの宴会は女性上位なので私はご飯をつくったりお酒を注いで回ったりの「召使い」状態であるが、この日は珍しく男性が多かった。そのせいで気が緩んでか、ワイン、ビール、ウイスキーなどをどんどん飲んで出される料理を食べ散らかし、鬼木家のご長女を泣かし、言いたい放題言い散らかして、すっかりご酩酊。
翌日が下川正謡会の舞台稽古なので、9時頃にはおいとましようと決意して出かけたばずなのだが、案の定、帰りは終電もなくて、西北からタクシー。
さあ、たいへん。日曜の朝、ヂリリという目覚ましで目を覚ましたときはスーパー二日酔い。
ベッドから這い出して、お風呂でぬるいシャワーを30分ほど浴びるが、とても朝御飯を食べる元気はない。刻々と開演時間は迫る。頭を動かさないように、のそのそと移動してずるずると車まで這って行って、半分眠りながら湊川神社へ。
しかし、よくしたもので、下川先生のお顔を見て「おはようございます」と精一杯の爽やかさを演じつつご挨拶して、きりりと帯を締め、袴を付けると、とりあえずなんとかかっこがついた。
でも、アセトアルデヒドの分解のために全身の血を肝臓に送っているので、脳に酸素が回らないらしく、何がなんだかよくわからない。
開演早々、いきなり『恋の重荷』の地謡を下川先生に命じられ、謡本を借りて、あわてて舞台へ。よく知らない曲なので、隣の下川先生の吸う息吐く息に同調して謡う。
それでも3年余、下川先生の謡をずっと聞き続けいてるので、吸う息と身体の微妙な動きから、なんとなく「次の声」が予測できるようになってきた。
謡出しとフレーズのフィニッシュがぴたりと決まると、なかなかよい気分である。
『恋の重荷』(というタイトルが凄いね。奥村チヨの歌だねと言われてうっかりうなずく人がいても私は驚かない)の地謡で身体に振動を送ったのが幸いしてか、アセトアルデヒドは無事分解されたらしく、そのあとは眠いだけで何とか一日が終わった。
仕舞の『安宅』も「鳴るは瀧の水」の「な」の音が弱いというご注意を受けただけで済んだ。
最後の演目素謡『安宅』の地謡で「虎の尾を踏み毒蛇の口を遁れたる心地して陸奥の國へぞ下りける」を猛スピードで謡い終わってフィニッシュが「ぴ」と決まって、なんとなくよい気分になったところで家路につく。
しかし土曜日からの過激な日程のせいで、家でお風呂にはいったらもうまぶたが重い。そのまま這ってベッドにもぐりこんでトマス・ハリスの『ハンニバル』(うう、おもしろいぜ)を数頁読んだところで爆睡。
こうして、やたら忙しいゴールデンウィークの第一日が終わった。