3月3日

2000-03-03 vendredi

春休みのはずなのだが、毎日毎日仕事があって学校に来ている。今週は、大学院入試と後期入試があってそのあいまに無数の会議がはめこまれている。今日は朝の10時から会議で、その間(資料作成のための)わずかの休憩をはさんで、午後7時まで4種類の会議。会議をしながらお昼ご飯。
あさっては下川正謡会の新年会(いまごろ新年会もないけどね)なのだが、ぜんぜん準備ができていない。紋付きや袴もお手入れもできていない。8日からははスキーだが、これまたまったく支度ができていない。家の中はぐちゃぐちゃに汚れていて、洗濯物はとりこんだまま床に展開しているし、台所にはうずたかくよごれものがたまっている。
本を読みたいとか映画が見たいとか贅沢を言っているわけではありません。
一日でいいから、ゆっくり家事をする日がほしい。

今日の朝一会議で問題になったのは、事務方の統制の問題である。
先日の入試のときにちょっとしたコピーのトラブルがあった。手落ち自体は「チェックが甘くて、すみません」とひとこと言えばすむことなのだが、責任者の職員が頑として謝らない。自分の責任ではない、とあくまで言い張る。バイトの子までが文句があるなら教師が自分でやれとか、仕上がりのいい仕事をもとめるなら外注しろとか言い立てる。
温厚で知られたM平先生が青ざめて「私は君たちを責めているのではない、こういうほつれめから組織の崩壊ははじまるのだから、お互いにもっと意識を高めようと言っているだけなのだ。なぜ、『そうですね』と言えないのか」と静かに説くのだが、ぜんぜん聞く耳持たない。
最後にその職員が声を荒立てて「私だってこれ以上働けないくらい働いているです。先月なんか残業25時間もしたんです」と言い出した。これには私も思わず腰を抜かした。
こ、これはすごい。残業25時間と言えば、2月は実働20日だから1日なんと1時間15分もの残業ではないか。本学の職員の終業時間4時半だから、毎日5時45分まで働いていたことになる。それは大変だ。帰途に太陽が見えない日もあったことだろう。
このような先進的な労働者意識のもちぬしである彼女たちには「業務命令」という概念が存在しない。上司の指示のうちのどれを受け入れ、どれを無視するかは、彼女たちの恣意に委ねられている。
素敵だ。マルクスが聞いたら涙をこぼして喜ぶことだろう。労働者の楽園、神戸女学院大学よ永遠なれ(なわけないか)。