24 Nov

1999-11-24 mercredi

風邪がなおったら、こんどは腰痛だ。
腰というのか、「右尻の内側」のほうというか、背中の下の裏側というか、何ともロケイトしにくい部位に、痛いというかしびれるというかかゆいというか、なんとも言い難い感覚があって、寝ているとぐりぐりする。起きるとおさまる。運動すると痛い。
なんだろ。ストレスだな、きっと。なんでも「ストレスのせいだ」と決めつけて問題の解決を先送りするのが、私のストレス解消法であるが、それってぜんぜん根本的な問題の解決にはならないのだ。
しかしとにかく休みが三日も続くので、この機会に一気に『戦争論の構造』のフィニッシュを決める。いろいろと関連する文献があるが、それを読むと面白くて、なかなか進まない。いま大岡昇平の『レイテ戦記』を読んでいる。これはすごい。
むかし大岡昇平と埴谷雄高の『ふたつの同時代史』という対談を読んで、彼らの戦時中の明晰でタフな生き方にずいぶん感心したことがあったのを思い出した。こういう硬骨のおじさんというのがいなくなってしまった。
西尾幹二の『国民の歴史』という本を北島先生が送ってくれた。「新しい歴史教科書を作る会」の西尾さんの本である。(北島先生って「そっち」の人だったのか。びっくり)
まえに藤岡信勝の本を二冊読んでうんざりした覚えがあるが、西尾さんはどうかしら。「つくる会」は小林よりのりを看板にして、なかなか気勢が上がっているようである。近代史のところだけとばし読みする。李朝朝鮮のことがめちゃくちゃ悪く書いてある。併合されて当然、という結論であった。うーむ。強気なおじさんだ。
ついでに『新ゴーマニズム宣言』の新刊が出ていたので読む。なんだかだんだん小林も党派的になってきた。大丈夫かあー、よしりん。おいら『東大一直線』以来のファンだんだけど、このままではちょっとやばいぞ。理由は分からないけれど、宮崎哲弥のことがずいぶん悪く書いてあったので、ちょっと気分がよくなる。
しかし浅田彰と柄谷行人の悪口だけは小林よしのりもかかないなあ。どうしてだろう。もしかすると、浅田とか柄谷とかって、すごくいい人なのかもしれない。だとすると私の人物眼もあまりあてにならない。ああ、心配。ほんとはどうなのかしら。ああ、気になる。
来週のイスラエル学会にそなえてソール・ベローも読む。あまり面白くない。どこか面白いのかしら。誰か教えて。
ついでに高橋哲哉も読む。ぜんぜん面白くない。西尾幹二のほうが面白い。これって、ちょっとまずいんじゃないかな。
どんどん酔っぱらってきたので、ついでに上野千鶴子も読んでしまう。ちょっとげろはきそうになってきたので、あわてて本を閉じる。やっぱ、このラインは駄目だなあ。しかし、これを克服しないと「おしゃれな大学知識人」の仲間にはいれないというしなあ、困ったなあ。
といいつつ諸星大二郎の『西遊妖猿伝』の13巻が出てたので、寝ながら読む。諸星大二郎は偉大だなあ。ちょっとコマが大きいのが気になるけど・・・