27 Oct

1999-10-27 mercredi

葡萄漬けじゃない、武道漬けのヴァイオレットな毎日である。昨日の夜は杖道の稽古、そのあと深夜12時半まで電話で(ついさっき別れたばかりの)鬼木先生と武道談義。(先生は翌日朝から仕事なのに大丈夫なのであろうか)
そして今朝からはワークショップ『合気道』実践編。先週までは柳生宗矩の『兵法家伝書』や宮本武蔵の『五輪書』や沢庵禅師の『不動智神妙録』や『猫の妙術』、『荘子』からオイゲン・ヘリゲル、中島敦まで読み倒しつつ「居着き」と「無拍子」という武術的身体運用の基本概念について教室で講義。
われながらなかなか面白い講義であった。途中で「ハイ」になり、「ああ、いましゃべっていることをそのまま字にすれば論文が一本書けるのに・・・自分で自分の講義を聴講したい」という倒錯の世界に踏み込んでしまった。(おなじことを飯田先生もときどき授業中に経験するそうである。)
ともあれ今日からは実践である。道衣を着て、雪駄をちゃらちゃらいわせて道場に通う。これで学生は単位がもらえて、私はお鳥目がいただけるわけである。(午後も道衣を着て、道場にいって合気道を教えるのだが、こちらは単位もでないし、講師給もいただけない。不思議だ。)
ともあれ、ありがたいことである。夢のようである。
いかなる宿世の因縁によってこのようなありがたいことがわがみに起こるのであろうか。(よく考えてみたら前世の功徳ではなく、現世の松田高志先生のおかげでした。松田先生ありがとう! 内田はしあわせものです。)