死のロードからの帰還

2009-04-23 jeudi

東京死のロード4日間が無事に終わり、レギュラーな生活に戻る。
4日目はお茶の水の東京ガーデンパレスにて「めぐみ会東京支部総会」で講演。
めぐみ会東京支部には大学もくさぐさのご奉仕を賜っているので、こういうところでご恩返しをしないと相済まないのである。
松沢院長もおいでになっているので、あわてて「昨日の部長会さぼっちゃってすみません」と謝る。
石割同窓会長との間にはさまれてご飯を食べる。
ぱくぱく。
食事後、講演。
完全クローズドの「内輪のパーティ」であるので、実名出し放題の「絶対に活字化できない講演」である。
放送禁止用語乱発で「寄席でしか聴けない落語」みたいなものである。
バジリコとミシマ社から「出店」していただき、講演の前後に100冊くらい(もっとかな)著書のサインをする。
もともと私の読者だったという同窓生もおられるし、「今の話を聞いて」私の本をお買い上げくださる気になったという同窓生もおられる。

続いて『Sight』の鼎談のために、代官山へ拉致される。
お相手の高橋源一郎さんが2時間遅れるということで、その「つなぎ」に渋谷陽一さんから「婚活」についてインタビューを受ける。
ついこのあいだ『AERA』でも「婚活」話をしたばかりである。
「『誰とでも結婚できる』というのが真の大人である」という話と「結婚は修業です」という話をする。
仕事の場においては、どのような人とペアを組まされても、気分よくコミュニケーションできて、相手の知られざる潜在能力を引き出して、「チーム」として高いパフォーマンスを発揮できる人間が「仕事のできるやつ」であることは論を俟たない。
「こんな人たちが同僚では相手では自分のほんとうの能力も『自分らしさ』も発揮できない」と不満を持ち、「どこかに私の資質が全面開花する理想の職場があるに違いない」と思って離職転職を重ねる人間に仕事のできる人間がいたためしはない。
結婚だっていっしょである。
結婚相手の選択が正しいかどうかは、事前に網羅的なスクリーニングを行うことで果たされるのではなく、結果として幸福になったかどうかで事後的に決まるのである。
高橋源ちゃんの場合はどうなるんだろうねと(本人がまだ来てないので)渋谷さんと首をひねる。
高橋さんの場合は「かなりさまざまのタイプの女性を配偶者として受け入れる能力がある」ことは確かであるから、「大人」であることは間違いない。
「『修業』のつもりなのかな〜」
「いや、あれはマゾヒズムだよ」
本人がいないので言いたい放題である。
高橋さんが駆けつけたので、さっそく「自民党政治の終焉」について鼎談。
宇多田ヒカルの話から入って、日本語で政治をやるとぜんぶ自民党政治になってしまうという驚愕の結論に達する。
めちゃくちゃ面白い話なので、『Sight』の40号(5月30日発売)ぜひ読んでください。
雨の代官山を後にして、ようやく四日ぶりに御影に帰る。
朝起きて鏡を見たら、目の下に真っ黒なくまができていた。
そりゃ、つかれますって。
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