まとめて日記

2009-03-26 jeudi

朝起きて、『グラン・トリノ』の映画評を書き上げて、『AERA』の来週号の600字エッセイを書いて送稿。『中央公論』の時評の原稿を書いて送稿。そこに新潮社のアダチさんから「100字で5万円」という “おいしい” コピー仕事が入ってきたので、3分間で100字さらさらと書いて送稿。
こういう仕事が毎日あると笑いが止まらないのであるが、世の中そういうものではない。
こういうペースで毎日仕事をしているので、日記の更新さえままならぬのである。
今日だってこれから新幹線に乗って関東某所に赴き、二泊三日にわたる「温泉セミナー」でもっぱら次世代ビジネスと投資にかかわるインテンシヴなセッションに参加せねばならない。
このセミナーは時間ばかりかかるわりにはギャラが少なく、ときどき持ち出しになることもあるのだが、顔ぶれが面白いので止められないのである。
とりあえず、乗車する前に、備忘のために、先週末以来の事績について記しておく。

3月20日(金)-22日(日)合気道合宿(於:神鍋高原ときわ野)
今回で神鍋高原での合宿も12年、24回目となった。
第1回目に一年生で参加したヤベくんが計算したら、48泊72日ということで、この民宿でわれわれはざっと二ヶ月ほどを過ごしていることになる。
ほとんどホームステイ状態である。
ご主人夫妻を「ホスト・ペアレンツ」とお呼びしたいくらいである。
ご飯の献立もほとんどいつも同じである。毎食「次はこれだな・・・」と想像すると、その通りのものがでてくるので、「味が決まってきて」(@内田百閒)何を食べても美味しい。
それに今回はついに皆勤のごほうびとて、道場の畳が新調(!)されたのである。
120畳分、まっさらのふかふかのぽかぽかである。
道場は広くて気分がよいのであるが、畳が硬くて、閉口していたのであるが、それが一新されて、みんなほんとうにニコニコであった。
参加者総勢53名。最多記録を毎回更新している。
昇段は三段がPちゃん(去年審査は済んでいたのだが、合気会の方から「二段をとってからの期間が規定より短い」という理由で登録を延期させられていたのである)。
二段がイッシー、タニオさん、コニー、アライミオさん、オノくん。
とりわけ女性四人の二段昇段審査の動きは日頃の精進の成果が表れた模範的なものでした。ぱちぱち。
オオツカ “お酒は二十歳になってから” タカオさんが晴れて栄光のブラックベルツ入りを果たした。おめでとう。
“次は初段組” がタカハシさん、ムカイさん、ババさん。秋の昇段審査までがんばってね。
二級がオオハシさん、モリヤマくん、タハラさん、ハシモトさん、3級がカユカワさん、ナガオカくん、オカモトくん、4級がオオヤくん、イワイさん、フクイさん、オカヤマさん、サキヤマ “妹” カナコさん、5級がヤスモトさん。最後の三人はこれで「ザ・ハカマーズ」入り。
3時から始めて6時近くまでかかってしまった。
ふう。
東京からタカハタさんが、ブルーノくんといっしょに来てくれた。
まさか13年前にブザンソンで知り合った青年が3年前にうちの大学院聴講生だった女性に連れられて、こんなところでビールを飲むようなことになるとは思いもしなかった。
人生のめぐりあわせはまことに予測不能である。

23日(月)昼まで寝る(10時間半寝ちゃった)。14時から杖道稽古。そのあと私の家で「若さま送別会」。
みんな一品持ち寄りでやってくる。
「一品持ち寄り」メニューのクオリティで恣意的に序列化すると

一位杖道会(アベレージ最高)
二位甲南合気会(キヨエ&マサコの指令による上意下達システムになってからレベルアップ、“Pちゃんパスタ” という必殺技があるのが強み)
三位甲南麻雀連盟(画伯がメンバーから抜けてシャドーカゲウラを助手にパスタなんか作ると、別格一位)
四位専攻ゼミ(伝統的に内田ゼミは料理がダメなんだなあ)。

若さまは卒業式総代だったので、答辞を読んだ。
文中で「思えば4年前にはじめて女学院の正門をくぐったときに」と言っていたが、若さまは中高部出身なので、ほんとうは 10 年前に正門をくぐったのである。
「今日で私たちは岡田山を後にするわけですが」と言っていたが、若さまは大学院に残るので、ほんとうは岡田山にまだ2年いるのである。
「嘘つき」とみんなで責めたのであるが、「ふふふ」と若さまらしく笑っていた。

24日(火)三宅接骨院、教務部長室大掃除、関西大学セミナー。
関西の大学の広報関係者を集めた日経主宰のセミナーで「大学が発信すべきこと」という演題で講演をする。
大学にビジネスを持ち込むな、行政は教育に介入するな、政治家は教育を論じるな、といういつも持論をぶつ。

25日(水)朝から大学で教務部長室のお掃除。ようやく書籍の整理が終わり、大量の会議資料をシュレッダーにかける。
段ボール2箱の会議資料をシュレッドするのに1時間半かかる。
「ペーパーレス時代」という言葉もとんと聴かなくなった。
現に資料のかなりはパワーポイントのコピーである。
意味ねーじゃん。
こんなことで熱帯雨林の森林資源を浪費してよろしいのであろうか。
そのあと入試部長の引き継ぎ。
夕方から学務連絡会の送別会。
川合学長を送る最後の集まりでもある。
川合学長には3年間教務部長としてお仕えした。
部下から見ると、こんなに頼りになる人はいないという “理想の上司” であった。
川合先生はフェアで、情熱的で、そして何より紳士だった。
きっとまた別の機会に、別のかたちでお会いすることになるだろう。
川合先生の新天地でご活躍をお祈りします。
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