ニコラス・ケイジの『柳男』とジェット・リー&ジェイソン・ステイサムの『ワルモノ暗殺者』の二本立てを見る(こたつに入ってDVDで)。
どちらもバカ映画であるが、「偏差値低い度」は圧倒的に『柳男』である。
ニコラス・ケイジという人は何かに呪われているのだろうか。
『荒ぶる魂』や『ラスヴェガスを離れて』や『戦争王』のような「ニコラス・ケイジじゃないとこうはいかないよね」的はまり役と『国宝』とか『幽霊バイク便』とか「何考えてんだよ」的なキャスティングを交互に選択している。
不思議な人である。
しかし、『柳男』はあまりの腰抜けエンディングに脱力してしまった。
映画はジェームス・フランコ君が「柳男二世」に選ばれるところで終わる。『蜘蛛男』では「緑の小鬼二世」の大役を果たした彼のことだから、立派におつとめを果たしてくれることであろう。
『ワルモノ暗殺者』は主役二人に加えてジョン・ローン(なつかしい『辰年』と同じ役)石橋陵やデヴォン青木やケイン・コスギが出るてんこもりキャスティングであるが、ストーリーもてんこもりでバカ度がヒートアップ。
妻子を殺され復讐を誓う元FBI捜査官が殺し屋に化けて日本のヤクザとチャイニーズ・マフィアを戦わせて両方皆殺しにしてしまう・・・という『血の収穫』というか『用心棒』というか『荒野の用心棒』というか『生き残り』というか、そういう「ふつうの話」にしてくれればたいへん面白かったのであるが、どうして「妻子を殺して復讐を誓う元FBI捜査官」がわざわざ殺し屋にならなければいけないのかが理解不能。
そのまま職務を全うされた方がよかったのではないか。
自分は死んだことにして潜入捜査をするにしても、「親友」のFBI捜査官ジェイソン・ステイサムとのコンタクトは維持するでしょう。ふつう。
脚本をいじくりまわしすぎているうちにこんなめちゃくちゃなストーリーになってしまったのであろう。
ジェイソン・ステイサムが「日本語がぺらぺらの捜査官」、石橋陵が「英語がぺらぺらのヤクザ」を演じるのだが、ジェイソンくんの日本語はまったく聞き取り不能であったが、石橋くんの英語はたいへんなめらかである。
石橋くんが娘のデヴォン青木と英語でしゃべる場面がある。
どうして日本人の親子がいきなり英語で話すんだよ〜と・・・座椅子からずり落ちかけたらデヴォン青木の「Your English is improving」に石橋くんが「I have been practicing」と答えるところがあって大笑い。
ヤクザもアメリカ進出に備えて日本でちゃんと駅前留学していたのである。
おかしいのは日本のヤクザのいきつけの居酒屋やヘッドクォーターの壁いっぱいに日本語の「ことわざ」の看板が掲げてあること。
ヤクザの本部に掲げてある「治にいて乱を忘れず」はともかくとして、どうして居酒屋の壁に「弱肉強食」とか「下手の横好き」とか「掃き溜めに鶴」とか書いてあるのかよくわからない。
日本に進出したマフィアのオフィスに Where there is a will, there is a way とかWhen in Roma, do as the Romans do とか看板がかけてあったら変でしょ。
いや、意外につきづきしいかも。
補遺:日記を書いているうちに映画タイトルのカタカナのあまりに書きにくさにイラついてきたので、映画タイトルを独自に邦訳したものをもって代えることにした。各自にて原題を想像せられよ。
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(2008-03-31 11:20)