矢作俊彦さんと関係者のみなさんへのお詫び

2006-09-15 vendredi

8月10日に矢作俊彦さん、高橋源一郎さんとの『すばる』のための鼎談が行われ、その模様をブログ日記に報告した。
その中に矢作さんの発言として、実際には口にされていない言葉があり、それについて矢作さんご本人から『すばる』編集部経由で厳しいご叱正を頂いた。
海南飯店での女性店主に対して矢作さんが実際に告げたのは(矢作さんがつねに用いている)「おばさん」という意味の中国語であったのだが、私はそれを解することができず、音の似た日本語と勘違いして、間違ったまま書き記してしまった。
考えてみれば、矢作さんがどれほど親しい相手とはいえ、そのような非礼な呼称を用いるはずがないことに気づくべきであった。
矢作俊彦さんと海南飯店の店主の方に伏してお詫びを申し上げたい。
この問題について『すばる』編集部からの連絡が届いたのが、フランスからの帰りの飛行機に乗る直前であったために、結果的に日記の削除とお詫びの文章の掲載が帰国まで一日半遅れたことについても重ねての不手際をお詫びしたい。
矢作さんへの直接の謝罪に先立って、最初にブログに掲載された記事にかかわる訂正と削除であるので、取り急ぎブログにその旨を記し、関係者全員に私の失態についてお詫びを申し上げる。すでに記事を読まれた方には、「内田の誤解・誤記」であり、私の記述が矢作さんについての誤った印象をもたらすものであったことをご承知ねがいたい。
これまで繰り返し書いている通り、私は矢作俊彦さんの35年来のファンであり、矢作さんは私の「ヒーロー」の一人である。だから、矢作さんのその日の言動について記述した中には他にも不正確な記述は多々あると思うけれど、矢作さんを貶めようとする意図で書かれた言葉はその中に一つもないことはぜひ矢作さんにも皆さんにもご理解を頂きたい。
しかし、私の意図がどうであれ、矢作さんが現実に名誉を傷つけられたと感じたという事実は重い。
ここに伏して、おのれの軽率と非礼をお詫び申し上げる。

9月14日   内田樹
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