2月29日

2004-02-29 dimanche

土曜日は「現代日本論」打ち上げ宴会。
遠く浜松からスーさんご一行(大坪先生、小野先生)と大量の鰻をお迎えして、怒濤の大宴会。
前日に治療に行った三宅接骨院から大量の「タラバガニ」を頂き、さらにみなさん腕によりをかけて珍品逸品の数々を持ち込まれたので、まさに酒池肉林。
6時間にわたり、ほとんど「轟音」というのに近いほど同時に多くの人々が何かを熱っぽく語り続けていた。
「では、私はこれで・・」と一人帰るごとに、廊下で「クック・ロビン音頭」を全員が踊ってお見送りする。
さぞやうるさかったであろうが、さいわい隣家と階下は「空き屋」らしく、騒音についてのクレームは来ない。

宴会中に江さんが『ミーツ』のゲラを持って来られたので台所の床に座って校正をしていると、既婚者男性たちが「何を読んでいるのか」と訊ねてきて、「結婚は得か?」というタイトルをみて、なんとなく目の色が変わって「読ませてください」とゲラを手に取る。
熟読すること数分。
「う」という沈痛なうめき声をあげて、「そ、そうですよね。結婚はお得ですよね、ははは、は」と力無く笑いながら立ち去ってゆく。
そんなに悲痛なことを書いたようには思わないのであるが、「比較的幸福な結婚生活においての、不快と愉快の比率は『赤飯中におけるコメとアズキの比率』に近いと申し上げてよろしいかと思う」というあたりがみなさんの琴線に触れたのかもしれない。
若い方々の中には誤解されている向きもあろうかと思うが、結婚というのは「幸福の実現」などではないし、配偶者は「理解と共感の担保者」などではない。
そう勘違いするから、いろいろと要らぬご苦労されるのである。
結婚生活は総じて受難と不快の日々であり、配偶者はあなたの理解と共感を絶している。
しかし、それだからこそひとは結婚するべきなのである。
いったいいかなる理路によって?
詳細は『ミーツ』の来月号、再来月号(昨日校正していたのは、再来月号のゲラ)を読んでください。
一読、むらむらと結婚したくなること請け合いである。
書いてるウチダ自身でさえ、書きながら結婚したくなっちゃったくらいなんだから。
--------