風邪が治らない。
木曜日の午後いっぱいと金曜一日寝ていたのであるが、土曜になっても熱が引かない。身体の芯が熱っぽくて、どうもいけない。
活字を読む気力がないので、延々と『パタリロ!』を読み続ける。
古典落語と少年愛と昭和30年代のTV番組と密室殺人トリックについてトリヴィアルな知識に支えられたギャグマンガが『花とゆめ』という少女漫画誌に数十年にわたって連載されていることの社会史的意味を解明したひとはどこかにいるのだろうか。(関川夏央さんが書いているかも)
『パタリロ!』のせいで古典落語が聴きたくなる。
熱があってぼおっと寝ているときに志ん生なんか聴いていると生きているのか死んでいるのか分からなくなって酔生夢死の境地を楽しめそうだ。
ちょうどそこで「古典落語名演40席」という企画ものの広告にでくわしたので、よほど買ってしまおうかと思ったけれど、玉置宏が「解説」をしているというので最後の理性を発揮して止める。
魔夜峰央が終わってしまったので、次は桑田乃梨子全作品読破にかかる。
るんちゃんが置いていってくれたマンガのおかげで病床の父は余命をつないでいる。
げほげほ。いつもすまねーな。おれさえ、こんな身体でなけりゃ・・・
おとっつぁん、それは言わない約束でしょ。
これはハナ肇とザ・ピーナッツの『シャボン玉ホリデー』の定番ギャグだ。
年のせいか、最近小中学生の頃見たTV番組やそのころ読んだ本のことをよく思い出す。
石坂洋次郎とか獅子文六とか源氏鶏太とか石川達三とか、当時愛読していた中間小説がむしょうに読みたいのであるが(変なものを読む小学生である)、もう文庫本は絶版みたいである。
そのころの愛読書でいまでも読めるのは吉川英治と山田風太郎だけ。
『シャボン玉ホリデー』のヴィデオが出たら私は絶対買う。日テレにはもう映像は残ってないのだろうか?
『寅さん』全48巻の広告にもかなり心が動く。
ほんとに買ってしまいそうである。
ああ、誰か止めてくれ。「ウチダ、気を確かに持て!」と誰かが言ってくれないと、ほんとうに買っちゃかもしれない、寅さん。
(2001-04-28 00:00)