12月6日

2000-12-06 mercredi

Japan Quarterly 用の写真を竹信君のところに至急送るために、デジカメで撮った鬼木先生と私の演武写真をこれからパソコンに取り込みそれを添付ファイルにして送るということをしなければならないのであるが、私は周知のように「マニュアルが読めない」重篤な「マニュアル失読症」であるので、すでに半身がパニックである。
「デジカメ ninja マニュアル」と「オリンパスCAMEDIA取扱説明書」合計397頁を前に私は深い無力感のうちに落ち込んでいる。
世の中にはこういうものを「すらすら」と読んでしまう人がいる。
楽譜を読むとたちまち頭の中で音楽が鳴り出すという人もいる。
私は「出題者の意図を見抜く」現代国語の問題文読解力だけは受験勉強で鍛えたのであるが、この能力はマニュアル執筆者の「出題の意図」の読解には役立たないようである。私に聞こえてくるのは「ふふふ、読んでもね、わからなやつには分からないんだよ」という忍び笑いだけである。

「デジタルカメラ付属のソフトを使用・パソコンにインストールされたお手持ちのデジタルカメラ専用ソフトウェアを使い、デジタルカメラと通信を行っていったんハードディスクに保存したファイルをデジカメ ninja に取り込みます」

って、あなた「デジタルカメラと通信を行う」って気楽に言うけど、主語がねーぞ、主語が。「誰が」デジタルカメラと通信を行うんだよ。おいらはデジカメと通信できるほどコミュニケーション能力高くねーぞ。
などと泣きながら、とりあえずデジカメのカードに入っていた映像情報をFDアダプタをつかってハードに取り込み、デジカメ忍者で開くところまでは行った。
これをプリンタで印刷することもできた。
問題は、これをどうやってメールに載せるかだな。
マニュアルのどこにも「映像データを添付ファイルで送るには?」という項目がない。
めんどくさいから、もうこのコピー印刷をそのままファックスで送ってしまおうかしら。
しかし、写真をメールで送れるようになると、このあとフジイ君に私が撮りまっくったおバカな写真をどんどん送りつけて、それをホームページにアップロードしてもらって、「ホームページのヴィジュアル的ヴァージョンアップ」をはかることも可能となる。
私が真剣にほおずりして「へへへ」としているような写真とか、高雄君の腕を三教でひねり上げていぢめている絵柄とか小川さんのおでこに杖を突き刺している絵柄とか(小川さん失礼しました。いたかったね)ホームページのトップにのせると、私にたいする世間の人々の態度というものもおのずと変わってくるのではあるまいか。
おお、これはいい考えだ。
などとホームページに日記を書き散らしながらマニュアルを読みつつ、なんとか写真を添付ファイルにして竹信君に送るところまでたどり着いた。
あとは「写真のファイル開いたよ」という彼からの返信を待つばかりである。
おお、わずか二時間で私のコンピュータ・リテラシーは革命的な前進を遂げたようである。
わははは、わははは、わははははははは。
さっそくフジイ君にも私のバカ写真を送っておくことにしよう。フジイ君、あとはたのんだぞ。