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2010年12月05日

ケルトに学ぶ地域文化振興シンポジウム

鹿児島大学の梁川くんがケルトのシンポジウムを開催します。この種のものとしてはきわめて珍しい企画ですので、興味のあるかたどうぞご参加ください。

とき:2011年1月29日[ 土 ]10 : 00 ~ 18 : 00[ 9 : 30開場]
会場 鹿児島大学 稲盛会館
参加費無料
主催 鹿児島大学法文学部人文学科ヨーロッパ・アメリカ文化コース
後援 南日本新聞社
鹿児島大学郡元キャンパス内
J R鹿児島中央駅から市電「工学部前」下車(徒歩3 分)/
市内路線バス11・20 番系統ほか「法文学部前」下車(徒歩5 分)
駐車場有り(9 : 00-10 : 30、12 : 30-14 : 00、18 : 00-19 : 00 の間「図書館側ゲート」

第1 部[10 : 30~]
「ケルト諸地域の試み」
〈講演1〉タンギ・ルアルン
〈講演2〉メイリオン・プリス・ジョーンズ
〈講演3〉ダヴィス・ヒックス
〈講演4〉ロバート・ダンバー
〈講演5〉ネーサ・ニヒネーデ
第2 部[15 : 20~]
パネル・ディスカッション
「〈文化力〉で地域を活性化する!」
パネリスト
吉田春生│鹿児島国際大学福祉社会学部教授
木部暢子│国立国語研究所教授
原聖│女子美術大学芸術学部教授
安藤剛│日本文理大学工学部客員教授
平嶺林太郎│KOSHIKI ART PROJECT 代表
コーディネーター 梁川英俊│鹿児島大学法文学部教授

シンポジウム 「ケルト」に学ぶ地域文化振興

趣旨説明

欧州の「辺境」に位置するケルト文化圏では、地域の活性化において地域独自の<文化>は重要かつ不可欠なファクターである。たとえばケルト文化圏のひとつであるフランス・ブルターニュ地方では、「汎ケルト・フェスティバル」Festival Interceltiqueと呼ばれる大規模な祭りが毎夏1週間にわたって行われ、3000人の音楽家と40万人の観光客を集めている。規模に大小はあれ、同様の祭りはブルターニュでは他にも十指に上る。この地方ではこうした観光客向けの催しばかりではなく、地域文化の活性化の中心となるべき市町村の文化センターや博物館、大学、マスメディアなどの日常的社会的活動も非常に盛んである。
本シンポジウムでは、地域文化をどのような形で地域の活性化に役立てるか、そのメカニズムはいかなるものか、それは住民にとってどんなメリットがあるのかという視点から、まずケルト文化圏からブルターニュ、ウェールズ、アイルランド、スコットランドの個別事例の報告をもらい、さらに欧州全域の地域文化を連携させる視点からの報告を得て、その上で全欧州的な視野からの相互比較を行い、ケルト諸地域と同様の「辺境性」をもつ鹿児島の、ひいては日本の諸地域の活性化のための参考としたい。身近な場所で日欧の差異と共通性を発見させる本シンポジウムは、欧米の文化を学ぶ学生にとって大きな刺激になろう。
海外からの招聘メンバーは、タンギ・ルアルンTangi Louarn (ブルターニュ文化審議会会長、カンペール文化センター長)、ネーサ・ニヒネーデNeasa Ni Chinneide(アイルランド国営テレビ局ゲール語番組編集長、前欧州少数言語事務局長)、メイリオン・プリス・ジョーンズMeirion Prys Jones(ウェールズ民俗音楽祭オーガナイザー、ウェールズ語審議会会長)、ダヴィス・ヒックス Davyth Hicks(EU少数言語ネットワークEurolang代表)、ロバート・ダンバーRobert Dunbar(スコットランド・ハイランド島嶼大学)、日本側コメンテーター(5人) 〔受付・案内係(学生5人)、駐車場係(学生1人)〕


パネリスト紹介

吉田春生(よしだ はるお)
1947年生まれ。(株)日本交通公社(現JTB)に約20年間勤務、主として営業現場を経験。専門学校講師を経て、2000年より鹿児島国際大学福祉社会学部現代社会学科助教授、2005年から教授。専門は観光論で、主として旅行形態論や「ツーリズムの様態」などから観光地を分析・考察し、近年は地域社会と観光の関係について特に研究を進めている。現在は同大学の生涯学習センター長と同大学附置地域総合研究所の専任所員も兼任している。専任所員としては温泉観光地における共同湯のあり方を「観光と地域社会」という視点から研究し、2010年4月に『新しい観光の時代』を上梓した。主要著書:『エコツーリズムとマス・ツーリズム』(2003)、『観光と地域社会』(2006年 日本観光研究学会「第1回学会賞観光著作賞」受賞)、『新しい観光の時代』(2010年)など
木部 暢子(きべのぶこ)
1955年生まれ。九州大学大学院修了。博士(文学)。純真女子短期大学講師、福岡女学院短期大学講師を経て、1988年4月に鹿児島大学法文学部に助教授として赴任。1999年より教授。2006年4月から2010年3月まで、鹿児島大学法文学部長を勤める。2010年3月に鹿児島大学を辞職し、4月から大学共同利用機関法人・人間文化研究機構・国立国語研究所教授(副所長)となる。専門分野は、日本方言学、音声学、音韻論、アクセント論。特に、方言アクセントがどのようにして形成されたかに興味があり、各地の方言の調査を行っている。鹿児島大学在職中は、鹿児島県各地をまわり、その成果を『鹿児島県のことば』(明治書院、1997)、『西南部九州二型アクセントの研究』(勉誠出版、2000年2月)、「内的変化による方言の誕生」(『方言の形成』岩波書店、2008)、『これが九州方言の底力』(大修館書店、編著、2009)として刊行した。現在は国立国語研究所で「消滅危機方言の調査・保存のための総合的研究」のプロジェクトの企画・運営にあたっている。
原聖(はら きよし)
1953年生まれ。一橋大学大学院社会学研究科博士後期課程単位修得。現在、女子美術大学芸術学部教授。多言語社会、多文化社会、西欧諸国の地域分権がおもな研究テーマ。1990年代から多言語社会研究会を主宰し、雑誌「ことばと社会」を発行する。2009年より日本ケルト学会代表幹事。主要著書に『周縁的文化の変貌』(三元社、1990)、『<民族起源>の精神史』(岩波書店、2003)、『ケルトの水脈』(講談社「興亡の世界史」07、2007)、共著に『現代ヨーロッパ社会論』(人文書院、1998)、翻訳に『虐げられた言語の復権』(批評社、1987)、『天国への道』(日本エディタースクール出版部、1996)などがある。
安藤剛(あんどう かたし) 
1948年、大分県豊後高田市生まれ。九州共立大学工学部建築学科卒業後、東京、福岡にて設計事務所勤務。30歳にて豊後高田市に帰る。(株)安藤剛設計室設立。町づくりグループ「テンプランド」を立ち上げる。1980年から「大分方言丸出し弁論大会」(1995年、(財)日本ファッション協会「日本生活文化賞」受賞)、1980年から1995年まで九州一円の建築家のための建築塾「国東セミナー」(1985年、日本建築家協会「地域文化振興賞」受賞)等を仕掛け、現在「昭和の町」推進活動(2005年、内閣府「地域再生、地域自慢大会」最優秀賞受賞、2009年「サントリー地域文化賞」受賞)に建築家の立場で建築、町並み集計等でかかわっている。日本文理大学工学部建築学科客員教授。
平嶺林太郎(ひらみね りんたろう)
1983年鹿児島県薩摩郡里村(現・薩摩川内市)に生まれる。東京造形大学大学院修了。2004年より続く「『甑島で、つくる。』 KOSHIKI ART EXHIBITION」を主催するKOSHIKI ART PROJECT代表。2006年、Mrs.Yuki 結成。2008年、「Mix Up!!」「全員展!!!!!!!!」「食と現代美術 part4」に参加。2009年4月には「101 TOKYO Contemporary Art Fair2009」に参加。同年、『甑島で、つくる。』 KOSIKI ARTEXHIBITION2009がアサヒ・アート・フェスティバル2009に参加。同年自治体総合フェア2009「第1回活力協働まちづくり推進団体表彰」にて『甑島で、つくる。』 KOSHIKI ART EXHIBITIONがグランプリ受賞。
梁川英俊(やながわ ひでとし)
1959年生まれ。東京都立大学大学院修了。パリ第12大学、社会科学高等研究所(EHESS)で学ぶ。鹿児島大学法文学部教授。フランス文学・思想の研究者として出発するも徐々に歴史学・人類学へと関心を移す。「国民国家における地方」という視点から、ブルターニュをはじめとするケルト諸地域を研究対象とする一方、鹿児島大学国際島嶼教育研究センター兼務教員として国内外の島嶼地域に関心を寄せ、最近はとくに奄美民謡のヨーロッパへの紹介に力を入れている。共著書にIdentité et société de Plougastel à Okinawa, (PUR, 2007), Formes spectaculaires traditionnelles et processus de patrimonialisation (PUR, 近刊)。主要論文にLa « psychologie formelle » de Valéry (Bulletin des Etudes Valéryennes Nos 48/49, 1988), Merlin dans l’imaginaire breton depuis le XIXe siècle (IRIS, Centre de recherche sur l’imaginaire – Université Grenoble 3, 2001)などがある。

投稿者 uchida : 2010年12月05日 08:46