竹田恒泰氏による山崎雅弘さんへの名誉毀損裁判費用への寄付のお願い

2020-03-29 dimanche

 みなさん、こんにちは。内田樹です。
 こちらは山崎雅弘さんがいま行っている名誉毀損裁判のための費用をクラウドファンディングするためのページです。僕がこの募金活動の代表呼びかけ人となっています。
 ご存じの方も多いと思いますけれど、山崎雅弘さんは戦史・紛争史研究家として多くの著作を書かれ、さまざまな媒体を通じて活発に現代社会の諸相について発言されている気鋭の論客です。そして、僕が信頼を寄せる年若い友人でもあります。
 その山崎さんに対して、今回、竹田恒泰氏より名誉毀損の訴えがありました。経緯については山崎さんご自身が詳しく書かれていますので、それをご一読ください。
https://togetter.com/li/1435792
 2019年11月13日に富山県朝日町教育委員会主催で開催が予定されていた竹田恒泰氏の講演について、山崎雅弘さんが、これまで差別的発言を繰り返してきた竹田氏の講師としての適格性について自身のTwitter上で疑問を呈しました。その後、竹田氏の講演は中止となりましたが、これについて講演中止の責任は山崎さんにあるとして竹田氏が山崎さんのツイートの削除を要求し、山崎さんがそれを退けたことが本件の発端です。山崎さんは当該ツイートに関して、竹田氏自身が過去に差別的な発言を繰り返してきたという客観的事実を指摘していること、差別的発言は社会通念上許されないので、それを批判することは公共的な目的にかなっているということを根拠に、名誉毀損にはあたらないという立場をとっています。
 ことの正否理非についてはみなさんが良識をもってご判断くだされば、いずれに理があり、いずれに正義があるかは自ずとお分かりいただけるものと思います。
 裁判の推移については、これから山崎さんご自身から随時に報告がなされることになると思います。第一回は3月6日に開廷され、書面提出がなされました。4月以後、定期的に行われるはずです。
 裁判にはかなりの金額の費用がかかります。また東京地裁での裁判ですので、三重県在住の山崎さんはそのつどの交通費・宿泊費を自費で負担しなければなりません。最終的に結審するまでにどれだけの費用を山崎さんが負担しなければならないのか、予測はつきませんけれども、僕としてはできるだけ友人の裁判活動を支援してゆきたいと思っています。
 つきましては、趣旨にご賛同下さる方に裁判費用を支弁するための醵金をお願いしたいと思います。
 僕自身はこれを単なる経済的な支援だとは考えておりません。
 第一に、この訴訟は「言論の自由」という原理を毀損するものだと思うからです。今回の事案では、どちらの言い分がより条理が通っているかは、ひろく「言論の場」において吟味すべきものだと思います。言論の場が最終的に生き残るべき言葉を選ぶ。僕はそのくらいには言論の場の審判力を信じています。言論の自由はまさにそのためのものです。ですから、言論によって理非を論ずることを放棄して、直接法律で決着をつけようとする竹田氏の態度に僕は言論の場に対する敬意を認めることはできないのです。
 第二に、このような訴訟では、訴えられた側はただちに高額の弁護士費用を負担し、以後多大の時間とエネルギーを裁判のために費やさなければならないということです。つまり、「経済的に余裕のある人間はいくらでも名誉毀損裁判を起こして、論敵を経済的に追い詰め、その本業を妨害することができる」ということです。これはアンフェアだと僕は思います。
 言論の自由と言論の場の審判力を守るために、そして法の下でのフェアネスを守るために、僕は山崎雅弘さんの裁判費用支援をできるだけ多くのみなさんにお願いしたいと思います。
 だいじなのは金額ではなく、支援の意志です。ですから、通常のクラウドファンディングのように、いくら寄付すると、どのような「リターン」があるというような仕組みは今回は採用しません。「何円お金が集ったか」よりも、固有名で支援の意志を示してくださる方が今の日本に「何人いるのか」の方がずっと大事だし、山崎さんをずっと力づけると思うからです。
 ぜひご協力をお願い致します。金額はいくらでも結構です。それぞれの経済的余力に応じてご寄付ください。そして、この趣旨にご賛同してくださった方はできればお名前とコメントをお寄せください。どうぞよろしくお願い致します。
 口座番号は以下の通りです。
三菱UFJ銀行住吉支店普通口座 0470806
山崎雅弘さんの裁判を支援する会 代表内田樹(「代表内田樹」は省略して頂いても入金できるようになりました。書く文字数が少しだけ短くなります)

 なお、この趣旨にご賛同くださり、僕といっしょに「呼びかけ人」になってくださる方は以下の通りです。

呼びかけ人(4月2日現在)
内田樹(凱風館館長・神戸女学院大学名誉教授)
青木真兵(人文系私設図書館ルチャ・リブロ)
青木海青子(人文系私設図書館ルチャ・リブロ)
青山ゆみこ(編集・ライター)
阿部安治(mal同人)
安藤聡(編集者)
池田伸(立命館大学教員)
石川康宏(神戸女学院大学教授)
井上陽(相愛大学准教授)
伊地知紀子(大阪市立大学教授)
伊藤公雄(京都大学・大阪大学名誉教授)
井上英作(会社員)
井上清恵(合気道家)
梅屋潔(神戸大学教授)
岡本篤(株式会社ムサシ代表取締役)
小田嶋隆(コラムニスト)
勝村誠(立命館大学教員)
門脇健(大谷大学教授)
金井啓子(近畿大学教授)
上脇博之(神戸学院大学教授)
川端幹人(ジャーナリスト)
神吉直人(追手門学院大学准教授)
神戸秀彦(関西学院大学教授)
北川知子(大阪教育大学非常勤講師)
木下由紀子(神戸女子大名誉教授)
木村結(市民活動家)
江弘毅(編集者)
光嶋裕介(建築家 光嶋裕介建築設計事務所 神戸大学客員准教授)
後藤正文(ミュージシャン)
小林哲郎(神戸女学院大学教授)
佐々木祐(神戸大学准教授)
佐々木芳郎(写真家)
佐々木亮(会社経営)
佐野通夫(東京純心大学客員教授)
下地早智子(神戸市外国語大学教授)
白井聡(京都精華大学専任講師)
白岩英樹(比較文学者)
釈徹宗(宗教学者・如来寺住職・相愛大学教授)
新ヶ江章友(大阪市立大学准教授)
想田和弘(映画作家)
高島千代(関西学院大学教員)
田島朋子(大阪府立大学准教授)
田原範子(四天王寺大学教員)
鄭雅英(立命館大学教員)
冨田智嗣(専業主夫)
寺口瑞生(千里金蘭大学教員)
戸谷智之(農業従事者)
永江朗(フリーライター、日本文芸家協会理事)
中島淳(編集者)
長嶋和代(非常勤講師)
永田浩三(武蔵大学教授 ジャーナリスト)
西岡研介(ノンフィクションライター)
西垣順子(大阪市立大学准教授)
野村俊介(茶園経営)
日高明(哲学研究者・ケアマネジャー)
平尾剛(神戸親和女子大学教授)
平川克美(隣町珈琲店主)
平田オリザ(劇作家)
平松邦夫(公共政策ラボ・元大阪市長)
福井栄二郎(島根大学教員)
福田純子(フリルール)
藤巻和宏(近畿大学教授)
細川孝(龍谷大学教員)
堀雅晴(立命館大学教授)
堀埜浩二(プロデューサー、ミュージシャン)
松島栄樹(会社員、写真家)
増田聡(大阪市立大学教授)
松田素二(京都大学教授)
松本創(ノンフィクションライター)
三砂ちづる(津田塾大学教授)
三島邦弘(ミシマ社)
三杉圭子(神戸女学院大学教授)
南川哲寛(病理医)
望月衣塑子(新聞記者)
八島秀二(自営業)
安田登(能楽師)
山本勇(文章家、音楽愛好家)
吉川宏志(歌人)
吉富有治(ジャーナリスト)
渡邉格(タルマーリー)
渡邉麻里子(タルマーリー)
渡辺智顕(編集者)
以上82名