フランスの新聞「リベラシオン」の16日のネット版に福島の原発についての記事があった。
日本のメディアの論調とはだいぶ温度差がある。
日本における核事故は深刻さの段階を一段進めた。
「これはレベル6である」とフランスの原子力保安局局長のアンドレ=クロード・ラコストはさきほど終了した記者会見の席で語った。
レベルの悪化は福島第一原発を襲った核カタストロフ(catastrophe nucleaire) における新たな二つの事故によってもたらされた。
水素による爆発が第二原子炉の建物内部で起きたが、この爆発は原子炉内にあるタンクを覆っている厚さ16センチの鋼鉄製の容器およびその下部のコンデンサーを損傷し、穴をあけたものと思われる。これによって、内部の放射能が大量に漏出することになった。これまでは汚染された水の水蒸気の計画的な放出が周辺地域の放射能拡散の原因であったが、これはそれとは別のものである。
第四号機では火災が発生した、のち鎮火された。
こちらの問題は地震と津波以前に停止状態にあった原子炉そのものではなく、使用済み核燃料の貯蔵プールである。
日本政府は津波の後このプールの冷却が停止したことが何をもたらすかを甘く見ていた。
水は過熱された。建物の一部が焼失したこのプールが以後新たな放射能の発生源の可能性の高い箇所である。
今のところ日本の当局は放射の可能性についてしか言及していないが、燃料が今後とも露出し続けた場合には核分裂にともなう物質(キセノン、クリプトン、セシウム137,ヨウ素131)の大気中への放出は止めることができなくなる。
これらの状況を考慮するなら、現在の原発事故は事故の重大性にかかわる国際基準のレベル6に位置づけることが論理的である。
日本の原子力保安院はレベル6への格付けを拒否し、二号機の格納容器には穴は開いていないと主張している。
フランス原子力保安局はあくまで放射能測定値に基づいて格納容器の損傷を推論しているわけであって、容器そのものを実見しているわけではない。
(2011-03-16 17:45)