等々力渓谷より賀詞言上

2009-01-02 vendredi

新年あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願い申し上げます。
己丑 元旦

無事に快晴の新年を迎えることができた。
ありがたいことである。
早朝に酒心館で『猩々』を謡い初め。
家に戻って福寿の新酒をいただいて、そのまま爆睡。昼過ぎに起き出して、おせちを食べ、お雑煮を食す。
お雑煮、今年からは「多田先生風」にしてみる。
例年だと「鰹だし」の「醤油味」なのであるが、今年は「鶏だし」の「塩味」で、お酒をどぼどぼ入れる。
たいへん美味である。
年賀状を読み、何通かにご返事を書く。
そんなことをしているうちに日が暮れてきた。東京に行かねばならぬので、住吉駅まで歩きがてら、途中の弓弦羽神社に初詣。
おみくじをひくと「末吉」。
あまりじたばたしないで節度をもって過ごせとのお達しである。
言われるまでもなく、そうできるものなら、そうしたい。
新幹線で新横浜から菊名、自由が丘経由で等々力へ。
大井町線の駅名は読みにくい。
「等々力」は「とどろき」と読む。
「九品仏」は「くほんぶつ」と読む。
私は九品仏に長く住んでいたが「どこにお住まいですか?」と訊かれて「くほんぶつ」と答えると「え? コロンブス?」と聞き返されたことが二度ある。
東京のどこにそんな地名があるものか。
大井町線は自由が丘、九品仏、尾山台、等々力、上野毛、二子玉川と駅が並んでいる。
隣の駅に停まった電車が見えるくらいに駅間が近い。
私は大学生のとき自由が丘に住んでおり、自由が丘道場で多田先生に師事し、そのあと結婚して九品仏に住み、子どもができて上野毛に移った。一方、横浜にいた兄は数年前に等々力に家を求め、相模原にいた母がいまその向かいの借家に住んでいる。同じ町内に ex wife とその母がいて、等々力には平川くん、自由が丘にはるんちゃんとブザンソン出身のブルーノくんがいる。尾山台には小堀さんと笹本さんのアトリエもある。
どうして出自を異にするこれほど多くの人々が半径3キロくらいの範囲に汗牛充棟状態で住むようになったのか、理由がわからない。
私としては知り合いがまとめて集住してくれているわけで、便利この上ない。
去年の3月に引っ越してきた母の家に来るのはこれがはじめて。
その間、東京には10回くらい来ているのに、一度も母の家を訪れないとはとんだ親不孝ものであるが、朝来て夕方とんぼ帰りとか、深夜着いて翌日深夜帰りとかいうハードスケジュールなので、等々力まで足を伸ばす暇がなかったのである。
今回はここに5日まで長逗留して、ゆっくりと母のおしゃべりのお相手をする。
長閑な正月である。
今日はこれからるんちゃんに会って、平川くんと石川くんと賀詞交換の予定。
それまで昼寝でもしよう。
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