よれよれ

2007-12-19 mercredi

日記の更新が滞っているのは「断筆宣言」のせいではなく(断筆は「仕事」の話)、あまりに忙しく、体調も超低空飛行で、ブログに書く気力も体力もないからである。
ふう。
あと3日。
何とか石にかじりついてもあと3日しのいで、冬休みに雪崩れ込む。
備忘のために、木曜以降のできごとを記しておく。

13日(木)、「メディアと知」の授業に関川夏央さんがゲスト講師で来てくれる。
来年後期からの「プロフェッショナル・ライティング」の授業も担当していただく予定であるので、その「肩慣らし」というか、「瀬踏み」というか、本学の学生がどんな感じかご覧いただくことにしたのである。
女子大で講義するのはもちろんはじめてのこと。
最初はちょっと手加減がわからなかったようで、早稲田でやっていた調子で、学生たちにびしびし質問をして困惑させていたけれど、そのうちに関川先生も「この子たちはもしかして・・・天然?」ということに気づかれたようで、「天然には天然」戦略に切り替えられて、最終的には神戸女学院大学生固有の「ほっこり感」にくるまれて、なごやかな微笑みのうちに講義は終了したのである。
ほっ。
関川さんをお招きしたのは、学生たちにとっては「ほんものの作家」というものを目の当たりに見ることが、教師が百万語を費やして文学や批評について語るよりある意味で教化的であろうと考えたからである。
もちろん文学「について」、自分では文学作品を書かない(書けない)人間が語ることにも重要な意味はある。
けれども、ものを書く人のたたずまいというのは、現物を見ることでしか知れない。
教師はどうやって書くのかを説明できるが、自分は書けない。作家はどうやって書くのかをうまく説明できないが、現に作品を書いている。
これはどちらがいいとか、どちらが偉いとか言うことではない。
読むという行為からその最良の贈り物を引き出すためには、この両者の協働が必要なのである。
そのあと、関川さんと(私たちの対談集の企画担当の)講談社の佐藤さんと夙川のアルテ・シンポジオでご飯。
関川さんは「鉄ちゃん」なので、翌日は三重の名張まで「盲腸線」に乗りに行かれるのだそうである。

金曜日は会議の一日。
ゼミのあと、13時から教務委員会、15時40分から科別教授会、そのあとべつの会議が一つ。20時過ぎまで。
よろよろになって帰宅。
土曜日は昼から合気道。帰宅して締め切りを過ぎた原稿を書き上げて送稿。
ファックスから『考える人』のゲラが5メートルほど届いている。
くるくると巻いて鞄に詰めて、ゲラをチェックしながら朝日カルチャーセンターへ。
守伸二郎さん、高橋佳三さん、平尾剛さんとら昨年の「武術的立場」シリーズのゲストが一堂に会しての「帰ってきた武術的立場な男たち」シンポジウム。
「この一年何してました?」という、居酒屋のカウンターでおしゃべりするような話を2時間。
たいへんに面白い。
それからウッキーの仕切りで、朝日新書の石川さん、ミドリアタマさんいつものメンバーで北新地に繰り出して、忘年会。
深更まで痛飲して歓談。

日曜は朝から原稿書き。
少しだけ家の掃除。
昼過ぎから甲南麻雀連盟の諸君が集まってくる。今年の例会も余すところあと2回。勝率争いが次郎くんを軸に展開しているようであるが、私は今季はぱっとせず、勝率3割前後をうろうろして、年間王者3連覇の夢はもうないので、めんどくさいから詳報は略すのである。
山本画伯、釈老師、平尾さんというシニアなメンバーで打っているうちに牧師、次郎くん、江さんが登場して一人足りなくなった。
家で博論を書くために本日の例会を泣く泣く欠席しているかんちきくんに電話をして「ただちに出頭するように」と総長命令を出す。
かんちきくんは現在隣町の阪急六甲駅前に住んでいるので、うれしそうにいそいそとやってくる。

月曜は会議とゼミと会議。
会議のあいまに村上春樹の『走ることについて語るときに僕が語ること』の書評を書いて送稿。
最後の会議が終わるとまたも20時過ぎ。
家に戻るとIT秘書とさっちゃんと近隣の「働きマン」が来ているので、みんなで「永谷園の煮込みラーメン」を食べる。気づくとまたも深夜。
眠いし、寒気がしてくる。どうも風邪引きの前兆のようである。
とほほ。

火曜日。朝起きると顔が土気色になっている。
疲労もそろそろピークに達している。学校を休んで家で寝ていたいが、ゼミが2つとも年内最終回であるし、そのあとはリハーサルもあるから休めない。
重い身体をスーツに押し込んで、よろよろと大学へ。
微熱をこらえてゼミ2つを終わらせ、そのあいまにグールドの『神と科学は共存できるか?』の書評を書く。
音楽館で水曜の公演のリハーサル。
自分の歌うところは何とか覚えたけれど、そのほかにいろいろと舞台でお仕事がある。頭がぼおっとしているので、うまく覚えられない。
今日はこれからその公演の舞台がある。昼から大学で会議、それからゲネプロ、それから本番。家に戻るのはまた深更であろう。
明日は江さんの講演。金曜はまたまた会議の一日。土曜日は合気道のあとわが家で納会。
納会が終わるまで休む時間がない。
あと3日。
なんとかもってくれるとよいのだが・・・・
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