忙しい。
いや、わかっている。
私が悪いのである。
仕事を引き受けるからいけないのである。
仕事を断れないのがいけないのである。
私だって生身の人間である。三日に二回締め切りが来るような生活をしたらいずれ命を縮めることになることは本人だってわかっている。
だから、基本的には新規のお仕事はすべてお断りしているのである。
しかし、「XXXの件についてぜひウチダさんのご見解をお訊きしたい」と水を向けられると、根が死ぬほどおしゃべり体質の私の中にむらむらと「あああ、しゃべりたい」欲動が勃発するのである。
例えば、
「父親の子育てについてどう思いますか?」とか
「団塊シニアの末路はどうなると思いますか?」とか
「村上春樹って、どうしてあんなに朝ご飯を詳しく書き込むんですか?」とか
「橋本治の文学性って何でしょう?」とか
「女子大なんか必要ないってほんとうですか?」とか・・・そこに水を向けられると「いや、それはね・・・」と語りださずにはおられないトピックというものがあり、心得のある編集者はそういう「ツボ」をピンポイントで衝いてくる。
一つ一つはそれほど長くないから、まあ、書けるだろうと引き受けるが、塵も積もれば山となる。
そこに養老孟司先生との対談本のゲラが届き(「天才は忘れたころにやってくる」)、大谷高校で90分しゃべった講演録のゲラが届く(「転載は忘れたころにやってくる」)。
そ・れ・だ・け・な・ら・ば・ま・だ・い・い・が(@江口寿史)
一昨日は大学院の打ち上げ宴会、昨日は会議が二つ、今日はゼミ4年生生の宴会、明日は恒例の午後全部会議日、明後日からはセンター入試。来週は京都造形大に講演に行き、フジモトさんと歌舞伎を見に行き、ラジオカフェの創立記念パーティに上京し、下川正謡会の新年会までに『鶴亀』の舞囃子の道順を覚え、翌週の博士論文の口頭試問のために数百枚の博士論文を熟読玩味せねばならない。そして来週末からは本番の大学入試が始まる。
『街場の中国論』をなんとか2月末までには書き上げるつもりでいたが、果たしてミシマくんとの約束は果たせるのであろうか・・・
今日もこれからグリーンカレーを仕込み、橋本治先生の新作の書評を書き、明日の人事教授会に出す推薦書を書き、ゼミ生たちを迎えるべく家の掃除をしてから授業に行かねばならない。
がんばれ! 私(@矢部智子)
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(2007-01-18 10:03)