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2016年12月01日

仲野徹先生と兪炳匡先生の爆裂トーク「日本の自然科学研究に将来はあるか?」

定期的に凱風館で医療経済学講義をしてくださっているカリフォルニア大学デーヴィス校医学部の兪先生をお迎えしてのセッション、今回は仲野徹先生との対談をお願いしました。
前に、僕が光嶋君と対談したときに、たまたまお二人とも聴きにきてくださっていて、打ち上げのときにふたりを引き合わせたら、いきなり超高速で日本の自然科学研究の現場の問題について語り始めて、あまりのその内容の濃さと面白さにびっくりして、これは僕がひとりで聞くのじゃなくて、公開で聞かせるべき話だと思ったのでした。
その後、お二人のスケジュールを調整して、兪先生が次に来日されるお正月に対談をセッティングしました。
日本の知的未来について懸念されている方々のおいでをお待ちしております。

とき:1月5日 16:30~18:00
ところ:凱風館
入場無料
終了後懇親会あります。懇親会参加ご希望の方は事前に内田あてご一報ください。
uchida@tatsuru.com

内容の概略:
1990年代以降、世界経済における日本の地位の低下と歩みを揃えるかのように、自然科学研究の分野に於いても日本のプレゼンスは低下しています。
2016年のTimes Higher Education大学ランキングによると、アジア圏で東京大学は7位(世界ランキングでは39位)、大阪大学30位(同251-300位)、慶応大学111〜120位(同601-800位)という現状で、日本政府が目指す先端科学技術の国際的集積地(日本版シリコンバレー)と、そこから生まれる先端科学技術を用いて新たな輸出産業(第二のアップルや創薬ベンチャー)を育成する政策の実現性はあるのでしょうか?
この政策の実現性を含めて、日本の自然科学研究の現状と展望について、大阪大学医学部の仲野教授とカリフォルニア大学(UC)デービス校医学部のYoo准教授が対談をします。
仲野教授は、エピジェネティクスという基礎医学の先端研究に従事されている上、グローバル化事業に最も熱心な大阪大学で長年研究されています。
Yoo准教授は、日本の医師で最初に医療経済学の博士号 (PhD)を米国で取得後、米国の大学で先端医療技術の経済学的分析を含む研究に従事しており、現在勤務しているUCデービス校から近いシリコンバレーでの日本関係者による様々なイベントにも参加しています。
この対談は、仲野氏とYoo氏の雑談・立ち話を、傍で聞いた内田先生が、「他の人々にも共有すべき『立ち話』」と思われたことがきっかけで、企画されました。日米の理系研究を比較する話が、根の深い社会規範、更に大きな歴史的な問題にまで広がることになるでしょう。理系の専門技術的な話はありませんので、どなたでも参加大歓迎です。

講師プロフィール:
仲野徹(なかの とおる)

大阪大学大学院 生命機能研究科・時空生物学 医学系研究科・病理学 教授(専門は医化学一般、エピジェネティクス)

大阪府生まれ。大阪大学医学部卒業後、内科医として3年間勤務。1984年大阪大学医学部助手、1989年ヨーロッパ分子生物学研究所客員研究員、1991年京都大学医学部講師、1995年大阪大学微生物病研究所教授を経て、2004年から現職。「いろいろな細胞がどのようにしてできてくるのか」についての研究をおこなうかたわら、医学系雑誌への連載やノンフィクションのレビューのHONZ(honz.jp)への寄稿など文筆業もこなしている。著作に「なかのとおるの生命学者の伝記を読む」(学研メディカル秀潤社、2011)、「エピジェネティクス 新しい生命像をえがく」(岩波新書、2014)など。甲南麻雀連盟会員、凱風館登山部長。


兪 炳匡 YOO, Byung-Kwang (ゆう へいきょう)、米カリフォルニア大学デービス校 医学部公衆衛生学講座 准教授(専門は医療政策・経済学)

大阪府生まれ。北海道大学医学部卒業後、国立大阪病院で臨床研修。1997年ハーバード大学より修士号(医療政策・管理学)、2002年ジョンズ・ホプキンス大学より博士号(PhD,医療経済学)取得後、2002-04年スタンフォード大学医療政策センター研究員(2004年以降非常勤研究員)、2004-06年米国厚生省・疾病管理予防センター(CDC)エコノミスト。2006年よりニューヨーク州ロチェスター大学医学部助教授。2006年7月に「『改革』のための医療経済学」(メディカ出版;「日本経済新聞エコノミストが選ぶ経済・経営書ベスト20冊(2006年)」に選出)を出版。2011年9月より現職。2006年から現在まで、大学院生を対象に医療経済学を講義・研究指導に従事。研究領域は、医療分野へのIT・ロボット導入の経済評価、医療従事者の需要・供給分析、カリフォルニア(加)州の民間医療保険の規制(規制法案に関連する科学的資料を作成し、加州議会に提出する委員会のメンバーを2012年より務める)、大規模感染症に対する公共政策の経済評価、プライマリーケアの需要・供給分析、高齢者介護制度の国際比較研究、日本の医療保険制度。

投稿者 uchida : 2016年12月01日 09:55