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2015年08月06日

兪先生と岡崎先生の特別寺子屋ゼミ

演題:
(1) グローバリゼーション下の先進諸国における医療制度改革
(2) 患者と医療者のコミュニケーション:「糖尿病劇場」の実践から学んだこと

とき:8月30日 16:30〜19:00
ところ:凱風館

内容の概略:
(1) 医療経済学を切り口として、凱風館で医療制度についてお話しするのは3度目になります。今回は、初めに諸外国の医療制度改革の最新の潮流について、日本と比較しながら紹介します。次いで、より大きな視点から、経済のグローバル化と歩調を合わせるかのように、各国のマクロ経済において医療分野・産業の役割が増大した(し過ぎた?)ことが、医療制度改革の方向性に多大な影響を及ぼしていることを指摘します。最後に、「希望」が持てるトピックとして、第2部で詳解される「糖尿病劇場」が、今後「大化け」する可能性が高いことを、医療経済学の視点から説明します。また、参加者の皆さんからの質問の時間を十分にとり、上記以外の論点についても議論することを予定しています。

(2)  みなさん、はじめまして。私は糖尿病の患者さんとかかわってきた内科の医者です。このたび、縁あって凱風館でお話する機会をいただき、大変うれしく光栄に思っております。このニュースを留学中にノートパソコンで内田先生のブログを読んでいた10数年前の自分に教えてやりたいです。ふふ。 
今回は、はじめに、慢性疾患(特に糖尿病)を持つ患者さんと医療者との関係に、なぜ改善の余地が大きいかについて考えてみます。次いで、私がワークショップ型医療者教育プログラム「糖尿病劇場」を創作した際に理論的背景として用いた「糖尿病エンパワーメント」という理論について解説します。最後に、今も仲間たちと続けている糖尿病劇場がこれまでに患者-医療者のコミュニケーション・関係をどのように変化させたか、今後患者さんの健康指標の改善をどのように測定していくか、などをお話する予定です。素晴らしい環境の中で、多彩なバックグラウンドを持つみなさまと語り合えることを心から楽しみにしております。

講師プロフィール:
(1) 兪 炳匡 YOO, Byung-Kwang (ゆう へいきょう)氏、米カリフォルニア大学デービス校 医学部公衆衛生学講座 准教授(専門は医療政策・経済学)

大阪府生まれ。北海道大学医学部卒業後、国立大阪病院で臨床研修。1997年ハーバード大学より修士号(医療政策・管理学)、2002年ジョンズ・ホプキンス大学より博士号(PhD,医療経済学)取得後、2002-04年スタンフォード大学医療政策センター研究員(2004年以降非常勤研究員)、2004-06年米国厚生省・疾病管理予防センター(CDC)エコノミスト。2006年よりニューヨーク州ロチェスター大学医学部助教授。2006年7月に「『改革』のための医療経済学」(メディカ出版;「日本経済新聞エコノミストが選ぶ経済・経営書ベスト20冊(2006年)」に選出)を出版。2011年9月より現職。2006年から現在まで、大学院生を対象に医療経済学を講義・研究指導に従事。研究領域は、医療分野へのIT・ロボット導入の経済評価、医療従事者の需要・供給分析、カリフォルニア(加)州の民間医療保険の規制(規制法案に関連する科学的資料を作成し、加州議会に提出する委員会のメンバーを2012年より務める)、大規模感染症に対する公共政策の経済評価、プライマリーケアの需要・供給分析、高齢者介護制度の国際比較研究、日本の医療保険制度。

(2) 岡崎 研太郎 (おかざき けんたろう)氏、名古屋大学大学院医学系研究科 地域総合ヘルスケアシステム開発寄附講座 講師

岡山市生まれ。京都大学医学部卒業後、天理よろづ相談所病院(奈良県天理市)で臨床研修。1998年-同内分泌内科医員。2000年に渡米し、2001年にミシガン大学医学部医学教育部門クリニカルフェロー修了(行動医学)。2002年に同大学公衆衛生大学院から修士号を取得(MPH、健康行動・健康教育学)。2003年に帰国し、2003-2006年佐賀大学医学部附属病院総合診療部研究生、2006-2013年国立病院機構京都医療センター臨床研究センター予防医学研究室研究員を経て、2013年3月から現職。糖尿病を主なフィールドとし、医療者患者関係、生活の質、患者教育、医療者教育、コミュニケーションなどをテーマに活動中。最近は『糖尿病劇場®』と題したワークショップや、高齢者参加型演劇ワークショップの実施と評価に尽力している。

投稿者 uchida : 2015年08月06日 11:51