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2014年07月08日

グローバル化と医療危機

California大学Davis 校医学部准教授、兪炳匡(Byung Kwang Yoo) 先生によるレクチャーと内田とのトークセッションが行われます。
Yoo 先生は去年も凱風館に来てくださいましたので、ご存知の方も多いと思います。
ご専門は医療経済学という日本ではなじみのない学問分野ですが、アメリカにおける保険医療の現状や、それを無批判に導入しようとしている日本の医療のゆくえにつよい懸念を語っておられる方です。
グローバル化趨勢は医療をどう変質させているのか。
教育と医療がグローバル資本主義によってもっともはげしい攻撃を受けているというのはウチダの持論でありますが、それについて専門家の知見をじっくりうかがってみたいと思います。
医療関係者のみならず、グローバル化による社会制度の変質に危機感を覚えている方々にとって有意義な機会になると思います。

みなさまのおいでをお待ちしております。

とき:8月3日 13:00〜15:00
ところ:凱風館
参加費:無料
参加資格:凱風館関係者(多田塾甲南合気会門人、寺子屋ゼミ受講生、「部活」部員およびその友人知人)

参加ご予定の方はできれば、事前にウチダにお知らせください。

先生からアブストラクトが送られてきましたので、こちらに貼っておきます。

内容の概略:

内田先生からインタビューを受けるという形式ですが、以下の3つの主要な論点について触れる予定です。
(1)資本主義の最終形態ともいえるグローバリゼ-ションが、1980年代以降どのような経路で医療に甚大な影響を与えているかについて、主にマクロ経済の視点から説明します。
(2)日本の医療制度改革の「お手本」として最もよく取り上げられる米国の医療制度が、近い将来どのように変化するかについて、医療経済学の最新知見を基にお話します。
(3)グローバリゼ-ションの影響が今後も増大することを前提に、日本の医療を含めた社会保障制度をどのような形で維持していくかについて、いくつかの概念的なシナリオを提示します。

また、参加者の皆さんからの質問の時間を十分にとり、上記以外の論点についても議論することを予定しています。


講師プロフィール:兪 炳匡 YOO, Byung-Kwang (ゆう へいきょう)氏(米カリフォルニア大学デービス校 医学部公衆衛生学講座准教授(専門は医療政策・経済学))

大阪府生まれ。北海道大学医学部卒業後、国立大阪病院で臨床研修。1997年ハーバード大学より修士号(医療政策・管理学)、2002年ジョンズ・ホプキンス大学より博士号(PhD,医療経済学)取得後、2002-04年スタンフォード大学医療政策センター研究員(2004年以降非常勤研究員)、2004-06年米国厚生省・疾病管理予防センター(CDC)エコノミスト。2006年よりニューヨーク州ロチェスター大学医学部助教授。2006年7月に「『改革』のための医療経済学」(メディカ出版;「日本経済新聞エコノミストが選ぶ経済・経営書ベスト20冊(2006年)」に選出)を出版。2011年9月より現職。研究領域は、カリフォルニア(加)州の民間医療保険の規制(規制法案に関連する科学的資料を作成し、加州議会に提出する委員会のメンバーを2012年より務める)、医療従事者の需要・供給分析、高齢者介護制度の国際比較研究、大規模感染症時の公共政策(予防接種を含む)の経済評価、プライマリーケアの需要・供給分析、日本の医療保険制度改革、テレメディスン(遠隔医療)の経済評価など広範囲にわたる。

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Byung-Kwang (BK) Yoo, MD, MS, PhD

Associate Professor
Department of Public Health Sciences
University of California (UC) Davis, School of Medicine
One Shields Ave.
Medical Sciences 1C Bldg, Room 141
Davis, CA 95616
U.S.A.


投稿者 uchida : 2014年07月08日 16:22