2012年11月21日
ポストグローバル社会と共同体シンポジウム三回目のおしらせす
公共政策ラボ主催の「ポストグローバル社会と共同体」のシンポジウム第三回は大阪でやります。
メンバーは東京での第一回と同じ、平川克美、小田嶋隆、中島岳志、内田樹、司会が平松邦夫という顔ぶれです。
先日の第二回はイケダハヤト、高木新平という26歳の論客を僕と小田嶋さんが迎えて、「貧乏がデフォルト」「不動産や耐久消費財はみんなでシェア」「年収200万で快適に暮す」という新しいトピックについて語りあいました。
労働力を市場で売って、貨幣を得て、それで商品やサービスを買うという従来のスタイルをこの若者たちは「不合理」だとみなします。
なんで、いちいち市場に繰り出して、貨幣を媒介させなければいけないのか。
そんなのめんどうくさい。それより、自分のしたい仕事をして、それに価値を認める人から、貨幣を媒介にしないで、ダイレクトに商品・サービスを受け取る方が「話が早い」。
自分の持っているものを、自分の欲しいものと交換するためには、「自分が余分に持っているものを欲望し、かつ自分が欲望しているものを余分に持っているひと」と出会うことが必要です。
これは「欲望の二重の一致」と言って、経済学的には「ありえないこと」とされてきました。
でも、いまはこれが「ありうる」のです。
インターネットがあるから。
欲望の二重の一致が成立するなら、市場も貨幣も媒介しない交換が可能になります。
この若者たちが市場と貨幣にこだわりを持たないのは、別に「清貧」とか「ユートピアニズム」ゆえではなく、「市場とか貨幣とか、迂回するのが面倒」だからです。その方がスピードが遅いから。
このときのセッションは「ポストグローバル社会と共同体」の見通しに、重要なヒントを与えてくれたと思います。
第三回はそれを踏まえて、遠景にこれまでとまったく違う新たな経済システムを望見しつつ、「古いシステム」の断末魔の地獄絵図的な様相を呈してきた12月総選挙を分析する、というようなことをやってみようかなと思います。
寒い季節ですけれど、どうぞお運びください。
詳細はこちらです。↓
http://www.with-ppl.jp/ppl/media/2012/11/9f34d362ef61e64d9b3cf9b0800041d92.pdf
投稿者 uchida : 2012年11月21日 09:53