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2011年10月28日

島唄についての国際学会を梁川くんがやります

国際シンポジウム「伝統歌謡の継承と地域の創造─ 歌は地域を救えるか?」のご案内

鹿児島大学法文学部人文学科は、次のような趣旨で国際シンポジウム「伝統歌謡の継承と地域の創造─ 歌は地域を救えるか?」を開催します。ふるってご参加ください。

趣旨
俗に「歌は世につれ世は歌につれ」と言います。たしかに歌の流行は世の移ろいとともに変化します。そのなかで、長いあいだ人々にうたい継がれているのが伝統歌謡です。現代において、そうした古い歌をうたい続けることにはどのような意味があるのでしょうか?
もちろん、伝統歌謡はどの地域にも残っているわけではありません。歌は人がうたうのをやめれば消えてしまいます。とくに地方の場合、住民の高齢化や人口の減少など歌の継承を妨げる要因にはこと欠きません。歌は放っておいても残るものではないのです。歌が残るのは、それを残したいと望む人たちがいるからにほかなりません。
伝統歌謡の継承には、このように歌の力のみならず、他のさまざまな力が働いています。
古い歌が忘れられずにうたい継がれているということは、実は大変なことなのです。
私たちの鹿児島県には「おはら節」や「はんや節」をはじめとしていろいろな歌が残っています。また奄美諸島では、島唄や八月踊りなどの伝統歌謡が継承され、地域のなかで重要な役割を果たしています。
人はなぜ伝統歌謡をうたい続けるのか? このシンポジウムでは、この根本的な問題に
〈地域の創造〉という視点からアプローチしてみたいと思います。
そのために私たちは、世界中から4 つの地域に協力をお願いしました。まずは地元鹿児島県から奄美大島、北米大陸からカナダのニューファンドランド、アジアから隣国の韓国の全羅南道、そしてヨーロッパからはフランスのブルターニュです。
いずれも一時は衰退の危機にあった地域の伝統歌謡を復興させ、各々のアイデンティティの支えにまで高めることに成功した地域です。
さらに、歌ではありませんが、「新しい伝統の創造」の一例として、アフリカのギニアから鹿児島県三島村に伝えられたジャンベにも登場していただきます。
各地域から招待された代表的な歌手やミュージシャンの演奏と、専門の研究者たちによる解説やパネルディスカッションは、それぞれの地域の歴史や文化について多くのことを教えてくれるのみならず、現代にあって伝統音楽を継承する意義とその地域への影響を考えるための貴重な機会になることでしょう。
たかが歌、されど歌。歌は地域を救えるか?─このシンポジウムを通して、皆さんと一
緒に考えてみたいと思います。
最後にひとつお知らせです。12 月13 日夕に同じ出演者によるコンサートを開催します。
シンポジウムでは時間の都合で演奏できなかった多くの歌や音楽が聴けるチャンスです。入場無料で予約の必要もありませんので、こちらも振るってご参加ください。 (文責 梁川英俊)

スケジュール:シンポジウム+コンサート

1 日目│〈シンポジウム〉「伝統歌謡の継承と地域の創造」
日時 2011年12 月12 日(月)
12 : 00 ~ 18 : 00[ 11 : 30 開場]
会場 鹿児島大学 稲盛会館(郡元キャンパス内)
[プログラム]
講演1・奄美大島 
坪山豊+ 皆吉佐代子、桑原季雄
講演2・カナダ・ニューファンドランド 
ジム・ペイン、フィリップ・ヘイワード、森野聡子
講演3・ギニア+三島村 
徳田健一郎+ みしまジャンベスクールOB、西村知
講演4・韓国・全羅南道 
李允先、金惠貞、崔鈆植
講演5・フランス・ブルターニュ 
ヤン=ファンシュ・ケメネール、梁川英俊
パネル・ディスカッション

2 日目│〈コンサート〉
日時 2011年12 月13日(火)
[ 18 : 00 開場]18 : 30 ~ 21 : 00
会場 鹿児島大学 生協教育食堂「エデュカ」(郡元キャンパス内)
鹿児島大学郡元キャンパスへのアクセス
JR鹿児島中央駅から市電「工学部前」下車(徒歩3 分)/
市内路線バス11・20番系統ほか「法文学部前」下車(徒歩5 分)
*駐車場は有りますが、できるだけ公共の交通機関をお使いください。
参加費無料(事前予約不要)

主催 鹿児島大学法文学部人文学科
[連絡先]鹿児島大学法文学部人文学科
〒890-0065 鹿児島市郡元1-21-30 tel: 099-285-7517(総務係)
e-mail: yanagawa@leh.kagoshima-u.ac.jp(梁川)
 

投稿者 uchida : 2011年10月28日 08:42