下川正謡会大会

今年も下川正謡会大会の日が近づいて参りました。
ウチダは能『船弁慶』でシテを舞います。前シテが静御前、後シテが平知盛の幽霊という人格分裂的なシテです。
稽古してわかったのは、圧倒的に前シテの方が難しいということでした。
とにかくゆっくり立ったり座ったり舞ったりするだけといえばそれだけなんですけれど、唐織という足がほぼ膝のあたりで固定された重い装束と視野のきわめて限られた若女の面をつけてそのような動作をすることがどれくらい困難であるか経験したことのない方には想像が難しいだろうと思います。
歩くとか回るとかいうことの方が舞より難しいんです。舞になると楽なんです。動きに流れがあるから。
だから、ただ歩くという場合でも、自分の中に「音楽」が鳴っていて、それに「乗る」という状態を創り出せば、スムーズに動けるんだと思います。
理屈はそうなんですけれど、舞台に立つと、そう簡単にはゆかないんですよね。
1年間ほんとうにつらい稽古でした。
これで能を舞うのは4回目です。
最初が『土蜘蛛』、それから『羽衣』、『敦盛』。
『船弁慶』が済んだら、しばらく能は回ってこないと思います(身体が持ちません)。それに、これくらい身体的にきつい能はこれが最後かも知れません(僕ももういい年ですから)。
というわけですので、ひとつ「見納め」のつもりで観に来てください。

とき:6月2日(日)御前10時始め
ところ:湊川神社神能殿 神戸市中央区多聞通3-1 JR神戸駅から徒歩5分、阪神・阪急の高速神戸駅から徒歩3分。
入場無料:どころかお昼過ぎまでにおいでのかたにはお弁当とお饅頭が出ます。
番組
番外仕舞 高砂 下川宜長
素謡 小袖曽我 國分徳彦 蓬郷勝行 高津玉枝
仕舞
 葛城 佐藤仁怜
 蝉丸 古橋右希
 清経 杉浦愛久
 松風 佐藤友亮
素謡 熊野
 東川博子 飯田祐子 浅野智章 上田顕崇
仕舞
 猩々 國分徳彦
 安宅 蓬郷勝行
 羽衣 高津玉枝
 玉鬘 永山春菜
素謡 鸚鵡小町 稲岡弥生 杉浦和子
仕舞
 芦刈 浅野智章
 花筐 福田裕子
 邯鄲 松田孝枝
 杜若 飯田祐子
(12時半ごろ)
素謡 関寺小町 前田正子 小川正子 小川順子 吉井晟朝
舞囃子
 班汝 東川博子 囃子方:辻芳昭 古田知英 斉藤敦
 桜川 杉浦和子 囃子方:辻芳昭 古田知英 斉藤敦
素謡 正尊
 友瀬慶子 福田裕子 松田孝枝 古橋右希 永山春菜
舞囃子
 敦盛 小川正子 囃子方:辻芳昭 古田知英 斉藤敦
 山姥 小川順子 囃子方:辻芳昭 高橋奈王子 中田弘美 斉藤敦
素謡 俊寛
 杉浦愛久 佐藤友亮 東川直樹 笠田祐樹
(午後4時頃)
能 船弁慶
 内田樹 福王知登 是川正彦 喜多雅人 吉井晟朝
 狂言 善竹忠亮 
 囃子方 辻芳昭 高橋奈王子 中田弘美 斉藤敦