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ラグビーとホラーな日曜日

ひさしぶりに日曜らしい日曜。
鶴橋でSS木くんとウッキーと待ち合わせして、近鉄花園ラグビー場へ。
神鋼とワールドの「神戸決戦」である。
神鋼、今シーズンは5勝2敗と勝率は悪くないもののトライ数が少ないために、6位に低迷している。15日には東芝との直接対決もあり、落とせない試合なのである。
同じ日東京で行われていた大学選手権の早明戦は観客4万人。トップリーグはその十分の一くらいの入りである。
ご存じのとおり、私はどのようなプロスポーツにも興味がないが、ラグビーだけは競技場まで足を運ぶ気になる。
どうしてラグビーだけが例外的に好きなのか、理由は本人にもわからない。
とりあえず、ちゃらちゃらした感じの流行好きの若い連中がいなくて、もっそりしたおじさんたちが低い声で寒風に震えながら「キックだけでは点ははいらんど」とか「フォワード集散悪い」とかぶつぶつ言っている風情が私は好きである。
トライシーンでも別に花園ラグビー場をゆるがすようなどよめきがあるわけでもなく、赤い「STEELERS」の応援旗がぱたぱた振られるだけである。
このなんともいえない「肩の力の抜け方」があるいは私を惹きつけるのかもしれない。
試合は前半は神鋼のワンサイドかと思われたが、後半ぱたぱたとワールドにトライを取られてしまう。
どうもかつてスタンドオフにミラーくんがいた時代のフォワード、バックス一体となった芸術的なプレイが見られない。
でも、ベテラン12番元木選手(がんばるなあ)のトライが見られたし、11番瓜生くんのみごとなサイドステップを見られたのが収穫。
今回もチケットは平尾剛選手からのプレゼント。
平尾さんは試合には出られず、観覧席からビデオ撮影。
一同でお礼を申し上げる。
今回も横に座ってプレイの解説をお聴きしたかったのであるが、「音声がぜんぶ入っちゃうから」という理由でかなわなかった。
そりゃそうですね。
ウッキーと花園駅までの祝祭性のまったくない道をぽくぽく歩いて、芦屋に戻る。
くーすか昼寝をしてからハッシュドビーフを作って、ボージョレヌーヴォーを飲みながら、村上春樹訳『ザ・グレート・ギャツビー』を読みながら食べる。
美味なり。
腹が一杯になったので、アマゾンから届いたロブ・ゾンビの『マーダー・ライド・ショー』を見る。
奇妙に「粘度」の少ないスプラッタ映画である。
「エド・ゲイン」や「チャールズ・マンソン」が物語的に消費されすぎて、ほとんど記号的には摩滅してしまったアメリカ人の「ホラー感受性」そのものについて自己言及する映画である。
「恐怖映画の生成と効果」についての映画、つまり「メタ恐怖映画」というとウェス・クレイブンの『スクリーム』がある。
クレイブンは『スクリーム2』と『スクリーム3』では『スクリーム』という「メタ恐怖映画」そのものに対する観客たちの恐怖感受性がどうやって摩滅するかを描いた「メタメタ恐怖映画」を作って見せた。
「恐怖映画を怖がらない」という事実そのものがもたらす「恐怖」を描いた映画( 『スクリーム』)を怖がらないという事実がもたらす恐怖を描いたわけである。
こうなるとややこしすぎて何だかよくわからない。
だが、アメリカ人は「こういうこと」ができる現在地上に残っている唯一の文化集団である。
日本アメリカ文学会で何を話すか決めていなかったが、発作的に『硫黄島二部作』と『サウスパーク』と『マーダーライドショー』の話をすることに決定。
たぶんアメリカ文学会員の方々はこんな映画は見ていないであろうから、私が何をしゃべっても事実誤認や解釈の不適切さを指摘される心配はないのである。

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2006年12月04日 11:51 に投稿されたエントリーのページです。

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